一人しか通れない崖沿いの登山道で足がつり、止まるに止まれずに痛みを我慢しながら進んだ経験のあるノンカテ編集部が、登山中に足がつる原因と、足がつってしまった時の対処法について徹底的に解説します。
登山をしていて絶対に起きて欲しくないことはたくさんありますが、その中でも足がつるのは勘弁してほしいですよね。
痛みで行動不能になり、一緒に登っている仲間や後続の登山者に迷惑をかけてしまいます。
悪化してしまうと、登山計画の見直しにも直結してしまいます。
せっかくのアウトドアスポーツをしているのだから、最高の状態で一日を過ごしたいのは皆、同じ。
今回の記事では、「登山中に足がつる」ことをテーマに、以下のような内容について紹介していきます。
- 登山中に足がつる原因
- 足がつった時の対処法
次のような方々向けの内容になっています。
- 登山中に足がつってしまい悲しみを背負った方
- 足がつった時の対処法を探している方
登山中に足がつる4つの原因
水分と栄養が不足した状態
登山道を進んでいると、多くの汗をかきますよね。
汗をかくことで、体内の水分が失われますが、同時にミネラルも汗に混ざって排出されています。
さて、ミネラルとは何でしょうか? よく聞く単語ですが、いまいちピンとこないですよね。
ミネラルとは大地に含まれる無機質のことをいい、全114種類あります。
この114種類の内、16種類が人体を構成するのに必要不可欠な要素であり、私たちが日常的に耳にするカリウムやカルシウム、ナトリウム、マンガン、ヨウ素などが必須ミネラルと言われています。
必須ミネラルが不足すると、脱力感や食欲不振といった体調不良が生じるほか、熱中症になったり、疲れや立ち眩み、眩暈が出たりします。
また筋肉の収縮の調整ができなくなる症状も出てくる為、疲労した足がつってしまうのです。
筋肉の収縮はマグネシウムが担っていますので、マグネシウムを含む必須ミネラルが配合されたスポーツドリンクをこまめに摂取することで、水分やミネラルが不足する状況を予防できます。
筋力の低下
運動不足により筋力を使っていないと、登山の負荷に耐えきれずに足がつってしまいます。
私が登山中に多くの方々と出会って感じたのは、筋力と年齢はあまり関係性が無いという点です。
学生登山部の方でも足がつっている姿を見かけたり、仙人のようなシニア登山者は平然と縦走していたりします。
日常的にウォーキングやジムなどでトレーニングをして、筋力を衰えさせないことが大切です。
体温の低下
秋や冬の季節に足がつりやすいと感じませんか?
体温が冷えると筋肉が収縮して凝り固まってしまうことで血流が滞り、血行不良が起こります。
血行不良になると、人体に不可欠な水分や必須ミネラルが滞ってしまい、結果として足がつる要因となります。
山中の気温が低下したり、汗が乾くことで気化熱が生じたりして、気付かぬうちに体温が低くなってしまっている場合があります。
「少し冷えてきたかな」と感じたらウェアを着て、必要以上に体温を落とさないようにしましょう。
外部からの負荷が強い
山を登るにせよ下るにせよ、先に進むとき、両足に強い負荷がかかっています。
筋肉が疲労した状態で強い負荷がかかると、足がつりやすいです。
このほか、枝や岩を見落としてしまい、疲労した脛や太ももを殴打するような衝撃を与えても足がつる場合があります。
筋力が疲労したら小休憩を挟むのはもちろん、先を急ぐあまりにガシガシと進まずに小幅に足を運ぶ、行く先の危険物が飛び出していないかチェックをするなど、時間に余裕を持った登山を行うのが大切です。
足がつったらどうするの? 部位別に対処法を紹介
太ももがつった場合
太ももの筋肉を伸ばすようにストレッチを行います。
つっていない方の足で片足立ちをして、つった足を曲げて踵を尻に付ける体勢になります。
その状態で折り曲げた足をゆっくりと前後に動かすと、少しずつ筋肉がほぐれて、痛みが無くなっていきます。
ふくらはぎがつった場合
ふくらはぎの筋肉を伸ばすようにストレッチを行います。
つっていない方の足を前に出し、つった足を後ろにして、アキレス腱を伸ばすストレッチを行います。
足のつりが治ったら
足のつりが治ったら、直ぐに元のペースに戻さずに、ゆっくりと歩きだして様子を見るようにして下さい。
筋肉の状態が戻ったとはいえ、非常にデリケートな状態には変わりありません。
徐々にペースを戻していくようにすることで、足を再びつらずに済みます。
水分とミネラル接種は欠かさずに。事前ストレッチも効果的
登山中にはなるべく足をつりたくない方は水分とミネラルを適度に摂取するように心掛けましょう。
また登山に入る前にアキレス腱を伸ばしたり、屈伸をしたり準備運動を行うことで予防できます。
足がつらない様に注意して、素敵なアウトドアスポーツを楽しみましょう。
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